ひまつぶし

ねっこの親ばか成長記録や御朱印巡りの記録など日々の備忘録

【読書】2024.5月に読んだ本の記録 前半

つくもがみシリーズ/畠中恵(再読)

シリーズ『つくもがみ貸します』『つくもがみ、遊ぼうよ』『つくもがみ笑います』三冊とも図書館で借りて一気読みした覚えのある本。今回『…笑います』が読み放題になっていたので再読。ほのぼの。アニメ化されてたの知らなかった。

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夏井いつきの世界一わかりやすい俳句鑑賞の授業/夏井いつき

プレバトでお馴染みの夏井せんせの俳句超入門書。とても分かりやすく、ちゃんと俳句を学びたくなった。

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花の寺殺人事件/山村美紗

久しぶりに読んだ山村美紗。花の寺で起こる殺人事件の短編8本。サクサク読めるけど男と女のドロドロとした話ばかりで少し飽きてしまった。キャサリンシリーズが好きで図書館の本を読み漁っていたのは中学生のころだったかな。「棺の中に藤の花を」の中での公衆電話のトリックに時代を感じる。深夜の公衆電話、最後の10円玉が落ちるあの音、懐かしい。

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ちょっとネタバレ

「桔梗寺の殺人」の中で父親が違う双子ちゃんの話があり、調べてみたら実際、『1カ月に1個だけの排卵が2個以上あった時、その前後1週間ほどの間に複数の男性と性交渉を持つと、父親の違う双子が生まれることがある』そうだ。

 

水曜日の手紙/森沢明夫

自分の水曜日の出来事を手紙にしたため、『水曜日郵便局』宛に送ると、見知らぬ誰かの水曜日の出来事が綴られた手紙が届くという。実在した架空の郵便局を題材にしたお話し。自分にとっては安定の森沢明夫さん。今作も興味深く読めた。

 *自分の心に嘘をつかない。

 *よかれと思うことはどんどんやる。

 *他人を喜ばせて自分も喜ぶ。

簡単なようで案外難しいな。

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実在した水曜日郵便局は残念ながら閉局となっていた。

自分ならどんな手紙を書いただろう? この作品の主人公のひとり、洋輝さんのように、今の自分を見つめて素直に全てをさらけ出すことが出来るだろうか? いや、わたしはもうひとりの主人公、直美さんのタイプかも。悪いことは書かない。だって見栄っ張りだもんw良いことだけをきれいな言葉で書いて、あとでどっぷり自己嫌悪に陥ってしんどくなるタイプ。

途中、洋輝さんの下の部屋の住人が猫のお墓を作っている場面が出てくるのだけれど。ただそれだけの場面なのに、いつか来るあずきさんとの別れを思うと切なくて切なくて泣けてきた。これはヤバいな。わたし、だいぶあずきさんに依存してるぞ。ヤバいヤバい。

 

歌舞伎座の怪紳士/近藤史恵

「今日もまたなにもしないまま、夜になってしまった」岩居久澄27歳。家事手伝い。パニック障害を持つニート。そんな久澄のもとに離婚した父方の祖母からアルバイトの話が舞い込んだ。それは祖母の代わりにお芝居を観に行って感想をメールで送るというもので。観劇の度に起こる小さなミステリーも程よく、面白く読めた。

引きこもりだった久澄が外に出ることになって、服装や髪型を気にする場面に共感した。外との交流がなくなると身なりを気にしなくなり「ま、いっか」ってなっちゃうんだよね。必要に迫られて外出する事になって、ヤバい、着る服がないぞ、と慌てて服を買いに行ったり、美容室に駆け込んだりw すこしづつだけど変わっていく久澄さんの心情が丁寧に描かれていたのも良かった。

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星の子/今村夏子

娘の病気を治したいが為に『金星のめぐみ』というあやしい水を信じてしまったちひろの両親。新興宗教に傾倒する両親に、それでも愛情いっぱいに育てられたちひろの視線で描かれた家族の物語。

芦田愛菜さん主演の映画だかドラマだかが製作されたときにあらすじを知り、読んでみたいと思っていた一冊。

阿部元首相の襲撃事件で話題になった宗教二世問題を取り扱った陰惨な話かと思ったら、ちひろを中心とした家族のこと、中学校生活の中での友達のことや恋のことなど、いたって普通に物語は進んでいくのだが。よくよく読むとところどころでゾワリとする場面があってじわじわと怖くなる。

例えば『金星のめぐみ』を紹介してくれた父親の同僚、落合さんの家で出されたお菓子や飲み物をいっさい口にしなかったちひろの姉、まーちゃんと、まーちゃんの分まで飲み食いしたちひろとの対比とかね。

そして、ラスト。色々と考えさせられる良い終わり方だと思った。

publications.asahi.com

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機会があれば映画も見てみたい。

 

可愛いから見つめないでw ⇒後半へ続く